会社とは何か

まず、会社とは何かを考えてみましょう。

会社は、法律上『人間』として扱われる存在です。具体的には、会社は人間のように、買い物をしたり、借金をしたりできます。ちなみに、『会社の社長』は、会社に雇われている従業員ということになります(社長を選ぶのは『会社を作った人(株主)』です。自分を選んでも他人を選んでも構いません)。ですから、社長は会社から給料(役員報酬)を貰うということになります。

しかし、「会社は法律上の人間だ」と言われてもよくわかりませんね。お気持ちは理解できます。会社を人間として扱うことを理解しにくい一番の原因は、会社は、生きている私たち人間と違い、身体がないということでしょう。

当然、会社は、頭もないですから、考えたり喋ったりもできません(ちなみに、考えたり喋ったりできないという点では赤ちゃんと一緒です)。

つまり、会社とは体がなく、考えることも喋ることもできない人間だとか、会社とは体のない赤ちゃんだとか会社とは空想上の人間だと考えていただくと分かりやすいかと思います。

ところで、『会社は買い物ができる』というのはすでにご説明いたしましたが、買い物をするには考えたり喋ったりする必要があります。しかし、会社には身体がありませんから、喋るのは不可能です。そこで、会社の代わりに考えたり喋ったりする人が必要となります。その役目を担うのが、『会社を作った人(株主)』と『社長』なのです。

ちなみに、赤ちゃんの『財産管理(買い物など)』をするのは、親ですよね。会社を赤ちゃんに見立てるなら、株主や社長は会社の親ということになるかもしれません。


会社と社長は別人

ところで、会社が、他人から借りたお金を返さないことがあります。たとえば、私の作った会社『株式会社土井商事』(架空の会社です)が、『あなたからお金を500万円借りたけど返せなくなった』という状態を考えてみてください。

この事例では、登場人物が3人登場します。

・株式会社土井商事(会社)
・社長 土井誠(私)
・あなた

あなたは、私(土井)に「500万円を返せ」と言うかもしれません。しかし、『私(土井誠)』はあなたに500万円を返す必要はありません。あなたにお金を返すべき義務があるのは『会社』なのです。

社長である私は、会社に雇われている人(会社と社長は別人)ですから、会社を辞めてしまえばそれでオシマイです。では、あなたはどうすればいいのでしょう。実はどうしようもありません。会社にお金がないのであれば、『泣き寝入りするしかない』といえます。

「理不尽だ」「会社を作った土井がなぜ責任を負わないんだ」「会社の社長として借金をすることを決めたのは土井じゃないか」とあなたは仰るかもしれません。しかし、法律が「社長は、会社の借金を返さなくてよい」としていますから、どうしようもありません。

このように、会社は身体がありませんから、非常に信用できない存在です。ですから、『色々な規制』をする必要があります。ここですべてをご紹介するのは不可能なほど、会社は様々な規制に縛られており、適法に会社を維持していくためには、非常に多くの事務作業が必要となります。普通の会社を適法に維持するためには、人件費や事務の外注費などで、年間数百万円必要だと考えていただくべきです。少しくらい節税できるという程度では割が合わないのはご理解いただけると思います。

もちろん、適法な状態を維持しない(違法状態でもいいから事務は適当にやる)というのであれば、会社を維持するための費用を低く抑えることができます。しかし、違法状態を維持する前提で会社を作る方はあまりいらっしゃらないでしょうし、違法状態ということは、それ相応のリスクを伴います。